見るために描く

黒だけで描く。ぬりえが育てる『見る力』

黒だけで描く大人のぬりえ 巻毛をぬる手元

一枚の絵を、
絵の中に入り込むように眺める時間があります。

解説ではなく、
描かれた時代の中で、
いったん立ち止まる時間。

一枚の絵を、40分かけて見る

描こうとすると

それまで見えなかったものが

急に見えてくるようになります。

 

黒一色で塗るぬりえは

上手く仕上げるためのものではありません。

 

時代の線を追う時間です。

 

色を選ばないことで

形だけが残ります。

 

時代ごとに変わる

髪の影や重なり。

コルセットが作る影。

 

黒でなぞるうちに

流し見していた部分が

理解できるようになります。

 

ヴィクトリア朝の髪型をぬるとき

複雑さを追うのではなく

どこから始まっているかを探します。

 

レースをなぞるとき

装飾としてではなく

他の布地との違いを感じます。

 

描くことは

時代の身体観を追体験すること。

黒でなぞると、構造だけが残ります。

これは、貴婦人のアートサロンで

実際に行っている時間です。

 

絵は

わかる人にだけ届くのかもしれません。

 

そして

わかる力は誰でも育てる事ができます。

絵が描かれた時代に行く、というより、
そこに立っている人の身体の感覚を想像する。

解説を聞くより、
一枚の絵の前で、
少しだけ時間を置いてみる。

見え方は、
ゆっくり変わっていきます。

 一枚の絵を、40分かけて見る

服の歴史を「知る」より、
一緒に見てみたい方へ。

 

 

こちらの記事もおすすめ!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です