当ブログでは
- 普通の私がどうやってデザイナーとしての現在のポジションを築き上げたか
- デザイナーとして独立し、自分の力で十分稼げるようになる方法
- デザイナーを目指す人やデザイナーで思うような結果が出なくて困っている人のためのヒントになるような
記事を中心に書いています。
そしてここでは、「何が何でも絶対ぜ~~~ったいデザイナーになる~!!」
というアナタのために。
最短最速でデザイナーになる!ためのデザイナー哲学を伝授しますね~。
これを知らないで自分流にがむしゃらに進むと・・
やる気だけが空回りTT
時間だけが経って・・
気づけばもう、ン十歳。
まだ収入は関係ない職種のバイトだけ。
つぶしも利かないしどうしよう・・TT
アオキはこういった残念な人たちに何十人も相談を受けました。
しかもそれぞれ各人留学先のイタリアで、でもですよ・・
つまりデザイナーになれず帰国して、ン十歳なのに日本で働いたこともないただの人。
こわい~!!
背筋が寒くなるほど怖くありませんか??
いくら私が知っている衣装工房でも、即戦力になれない人を紹介できないし・・
こうならないためにいくつかデザイナー哲学を伝授しますね!
↓↓↓きびしいですよ!
目次
作りたいだけで作ってしまうと、欲求不満を吐き出しただけの○○を作ってしまう!
あれもこれも作りたい~~!!
情熱に任せて自分の作りたいものをじゃんじゃんデザインする・・
一見かっこいいことですが、これをすぐに公表しては絶対にいけません!!
これはただのアイデアスケッチです。
たった今あなたから出てきたものは、どっかで見たものを再編させただけのものである可能性が高いです。
ステキなものを見た、脳はいっぱい!インプット完了!
だから出さないと!アウトプット!
これって便秘と一緒ですね。
作りたいだけで作ってしまうと、欲求不満を吐き出しただけの排泄物を作ってしまう!
排泄物・・
それ、人様に見ていただきますか?
使いたい人、いますか?
アウトプットのアイデアスケッチはとてもとても大切です。
でもすぐに作品として発表しては絶対にいけませんよ!!
自分のアイデア帖に大切に保管しておきましょう^^
デザインは飾っておくアート作品ではないので、需要があるところで使ってもらわなければ意味がない!
以下は私が実際に最近見たデザインです・・
イタタタタタ・・痛い!
ー本当にあった怖い話ー
その①鋳物工房にて
ステキなものが出来た!!
くるくるな曲線がかわいいアールヌーボー調の鉄製イス。
超繊細なこの作品、売れるぞ~~!!
でも接合部分が多すぎて、セーターひっかけそう。
おまけに細すぎて繊細過ぎて、壊したらいやだから安心して座れない。
イスとしての需要
- 安心して座れる?
- 丈夫?
- 生産しやすい?
とか、小学生でも思いつくよね?
その②超絶技巧の超職人着物デザイナー
「パッと見全体でインパクトのある舞台美術作って!」という注文が。
わ~~い、ミリ単位の超絶技巧で作った手のひらサイズの作品を、30メートルの大きな作品につなげようっと!
よし、あと300組作ればいいんだな?
・・でもそれって舞台美術なんですけど。
100メートル離れた人に1ミリの狂い、見えますか?
初めに『全体でインパクトあること』って需要、クライアントさんから出されてませんでしたっけ?
最初に全体のインパクト整えたほうが良くない?
でも職人さん系にありがちな、細かい技術の競争ってやめられないらしい・・
わかるけどさ、それって舞台美術で需要ある?
舞台美術は・・
- 全体で見てなんぼ
- 一瞬しか見られないかもね
- 「あなたの技術の見せ場「」というより「縁の下の力持ち」
とかね・・
その③学校のパッケージデザイン課題で
サボテンみたいなギザギザの石鹸パッケージデザイン!おもしろ~い^^
個性的~、オレってさえてる~~
パッケージデザインだから、
- クライアントさんの商品コンセプトに本当にあっている?
- 大量生産しやすい?
- 大量運搬しやすい?
- そもそも箱は開けやすい??
とかね。
なんでサボテンの中に人を清潔にするための石鹸が入ってるの??
デザイナーとして絶対忘れてはいけないこと、
基本中の基本。
初めに需要ありき。
デザイナーはクライアントさんの意思表現をお手伝いするサポーター。
特に中堅デザイナーになるまでは忘れないほうがいいよ!
重要!デザインとはすでにあるものをリノベーションして洗練していくことだ!!
デザイナーとしてデザインをするとは、既存のデザインのリノベーションすること。
ええええっ!
パクりじゃないの?
パクりではありません(;´∀`)
パクりだという気持ちが出てくるのは、「デザイナーという自分がデザインしている」という自分本位な考えから作っている時。
もし、「これをちょっと便利にして皆様に使っていただこう・・」というデザイナー精神からものを作れば、どう?
パクリとかオリジナリティとかの小さい問題じゃないですよね?
すでにあるものを、
- ちょっと不便なところを改善しよう
- もっとこうだったらかわいいのにな~
- もうちょっと小さくしてみよう
などなど。
すでにあるものをどんどんリノベーションしていくことで人類は常に発展してきたじゃない?
コルセットがいい例。
初めはエーゲ文明で使われた皮性ベルトのコルセット。
それから16世紀には鉄製の超体型補正まっすぐコルセット。
もっともこのころはエーゲ文明のことなんて土に埋もれてて誰も知らなかったけど。
竹や針金製の軽い曲線コルセットが出来て。
体に悪いからってとうとうなくなっちゃった!
技術革新ならパーソナルコンピューターがいいリノベーション例でしょ?
パソコンって出来た初めはやたらデカかったんですよね?
それが持ち運べる大きさになって。
それからスマホくらい小さくなって、
今では腕時計くらいになっちゃた。
毛皮だって、初めは肉を食べた時の残りだった。
それが防寒に役立って。
そのうち難しいパターンでコートなんか作れるようになっちゃった。
そんでブランド品なんかできちゃった!
デザインとは、すでにあるものを洗練されたより便利に使いやすいものにしていくことです。
「俺がデザインするんだから、みんな使ってくれるはず!!」
それは売れるデザイナーになって指名買いされるようになってからでも十分間に合います!
0から作れるのはピカソやダヴィンチなど100年に一度の究極の天才だけ・・
0から誰も作らなかったものを作る・・
カッコいいけど、これほど難しいことはありません。
だってお手本がないから。
それが出来た人の代表はピカソ
キュービズムの変な絵って、ようするに現実に3Dに立体に見えているものを2Dで平面に描くとどうなるかって言うことです。
なんで一つの視点だけから見たものを描かないといけないの~??
それまではルネッサンス以来の伝統的な絵画技法をみんなやってた。
「一点透視図法」って、視点が一つだけ。
ピカソとブラックが、「でもさ、いろんな角度から見たものを一枚の平面に描いたっていいじゃない、なんでダメ~??」
って、複数の視点から見たものを一つの絵に入れちゃった。
それまで誰もそんな風に描かなかった。
絵画のすべての既成観念をぶち壊せ~~~!!
それが出来たから、だからこそピカソは天才だってこと。
でもピカソは最愛の人に「もっと私にわかる絵を描いてちょーだい」って言われて、路線変更しちゃうの。
天才レオナルド・ダヴィンチの絵は上手い!
彼は人体やカエルの解剖なんかして調べつくしてから描いた。
だから本物を描いていた。
それまで誰も画家が解剖なんかしなかったよね?
ダヴィンチは医師すら解剖は控えめにしていたカトリック時代のタブーに挑んだんだよ!
カトリック時代のタブーがどれくらい怖いかって、魔女裁判、拷問、処刑・・
そこまでして0から作れる?
ガブリエル・ココ・シャネル
シャネルはコルセットを取っちゃった。
それまでコルセットなしの女性は考えられなかった・・
コルセットに頼るように、もたれるように生きてきた女性たち。
たぶん男性にもたれるように・・
なんか女性のあり方自体の価値観までかわっちゃった!
0から作るより、他人が作ったものをよりよく作り変える方が作業がカンタン
私は天才ではないので、植物からヒントを得ることが多い。
植物をデッサンして洗練させてデザインします。
植物はそれ自体で何百万年もかけて進化完成されてきたデザインだから。
それから今までデザインされてきた過去2000年分のファッション事例からもリノベーションのヒントを得ます。
0からデザインするより時短で簡単だよ!
人間の本性上、ものを自分ではじめから作るより、他人の作ったものを批判する方がよほど簡単ですよね?
あたしだったらこうするのにな~
あたしならこうはしなかったけどな~、とか。
でもちょっと待って!
これって他人が作ったものを見て初めてそう思うんですよね?
自分ひとりで「こうしたほうが良かったもの」に、最初からたどり着けますか?
最短最速でいいデザインをするためには、他人が作ったもののリノベーションをすることです。
0から生み出そうとしちゃダメ!!
時間がかかりすぎるから。
何より目の前の自分のアイデアしか見えなくなって、需要のある使いやすく洗練されたものというデザインの基本から離れていくから。
それから。
使いやすく万人受けして洗練された量産ものに勝てる一点ものって、実は相当だよ。
こうしてみると、既存のものをリノベーションするとデザインスキルって意外とつきそうだよね。
まとめ
デザイナー哲学とは
- デザイナーで稼ぐこととは、自分の作りたいものを作ることとは違う!
- 初めに需要ありき!
- リノベーションがすべての基本!
というお話でした。
フツーの私がイタリアでデザイナーになれたのは、あるやり手社長にデザイン哲学を叩き込まれたから!
プロフィール2章「イタリアのデザイン事務所でテキスタイルデザイナー」はコチラ!
もし読んでくれちゃったなら、続きのプロフィール3章「イタリア国立映画実験センターに入って衣装デザイナー」はコチラ!
次のステップ、イタリア国立映画実験センターに行っちゃうよ~~!!
デザイナーとしてデザイン力と同じくらい大事なある能力もデザイナーになるために最重要だよ!