今回はみんなが知りたい(でしょ!)
フリル髭ロン毛男子の歴史だよ!
フリフリレース男子と言えば、まず何を思い浮かべる?
ベルばら?
もちろん!
他には?
織田信長?
(*-ω-)ウンウン♪
織田信長ってファッションリーダーだったの知ってた?
安土桃山文化って南蛮文化とまざって奇抜なものがはじけてたんだよ!
伊達政宗とかね!
それでその織田信長や家臣とか、大河ドラマの「おんな城主直虎」って着物の中にレースのエリマキトカゲみたいな『ゴルジェラ』してたじゃない?
キリシタンファッションでさ。
↓↓このフランソワ2世もしてるレースのひだ襟ね。
1500年代からヨーロッパで流行りだしたんだよ!
これって日本にはいわゆる『南蛮』から来たよね?
国で言うと、ど~こだ?
その国が1630年頃からファッション最先端になるんだよ!
正解は~??
有名織物輸出からチューリップバブルで超裕福になった新興国オランダさ!
なんでなんでバブルのお国でレース男子なのさ~??
ダイヤとかさあ、金とかいろいろあるじゃん??
そのワケは・・↓↓
目次
レースの歴史が新しくてびっくり、15世紀だよ!
ヨーロッパレースは15世紀のルネッサンスイタリアが紀元だよ!
そこではリネンの糸を抜いて、かがって刺繍するドロンワークが流行ってたんだよ。
ただのリネンのシャツより粋でしょ!
1492年のコロンブス大航海時代からコショウ、金、シルクと並んで超高価だったものはガラスとレース!!
その中でも製法が国家トップシークレットだったのはレースとガラス!!
その国家とはご存じヴェネチア。
とにかく繊細で珍しいこのレースは、ヴェネチアでしか手に入らない超貴重品!
とはいってもヴェネチアのレース職人ヴィンチオッロがパリでデザインブックを売ったりしてたけどね。
上の男性、慶長遣欧使節団の支倉常長のファッションと似てるね。
だから服装モラルが一致してたんだって。
着物の襟の中のレースの襟が見えるかな?
この人小さい船で宮城県沖からメキシコまで航海だよ!?
それからローマ!
信じられない忍耐。
1580年頃から「フレーズ/ラフ(英)」と呼ばれる丸いひだ襟が流行りだすよ。
ちょうどエリマキトカゲみたいにね。
良く映画やアニメに出てくる、扇みたいに後ろが立ったレース襟スタイルはベネチア特有のモノ。
ディズニーアニメの「白雪姫」にも出てくるね。
イギリスのエリザベス一世のフレーズもおなじみ。
百花繚乱!バロック時代のレース!これぞイケメンレースでモテ男!
1620年代以前のファッションリーダーはスペイン↑↑!
無敵艦隊をもつ強大国家スペインのファッションテーマは威厳!
カトリックの格式!儀式!荘厳!
黒、深紅、白、金!
とにかく固苦しく崩れなく動きにくく重く、がモットー。
男子のカボチャパンツには馬の毛とかたっぷり詰め込まれてて。
女子のスカートは鉄の輪でふくらませてて。
男女のホントの悩みは、後ろ向けなくて簡単に座れなかったこと!
ところが新興国オランダは別世界!
イングランドとオランダ、最重要なのがプロテスタントだってこと!
ヘンリー8世がカトリックでは厳禁の『離婚』をしたくてイングランド国教会を別に作った話、チラっと覚えてる?
清教徒ピューリタンには儀式伝統格式なんてモノよりシンプルってか清貧スタイルが重要。
でもオランダはブルジョアの国。
初めは色も淡い赤青黄緑などのパステル色が流行ったよ。
ららら~優雅だよね~^^
ロン毛に髭、レースの襟・・
それから見せびらかさない粋なおしゃれが流行るよ!
お高そうに見えるものを誇示して身につけるなんてダサい!
この辺、江戸町人文化みたいだね。
ピューリタン・スタイルの定番になって行くよ。
おまけにオランダ人はチューリップバブルに乗ってどんどんお金持ちに♪
なので素材そのものと言うより、その技術が高価なレースはオランダのファッションにピッタリだったわけ。
1630年頃からオランダには黒づくめのイケメンたちが!
レースだけが唯一の白。
う~む、なかなかやりますね。
市民の国オランダでは貴族ファッションは流行らないよ!
レンブラントの『夜警』登場人物みたいにね市民のスタイルが主流!
16世紀のルネッサンス豪華浪費時代と対照的な17世紀清教徒の清貧理想主義のピューリタン・スタイルが流行るよ!
これから後もずっと普段着としてピューリタン・スタイルは残って行くよ。
黒づくめで見にくかったらスマホ画面を明るくして見てね。
全部黒でレースだけ白にするのが定番。
- 円錐型の帽子
- 帽子にはリボン
- 大きく垂れたレースえり
- ウェストにもリボン
- リボンで縁取ったスカート
- 靴にもリボン
- 先が四角い靴
紳士は黒いリボンとスカートで構成されるんだよ^^
あ、ひざ下にもスカートね!
服装モラルがみんな一緒だったので、制服みたいにみんな同じ格好。
この黒づくめ紳士たちが大勢、朝の株式市場でチューリップ株買ったりコーヒー株売ったりしてたのさ!
壮観だっただろうね!
1680年頃まで続くよ。
スマートイケメンが好きな女性にご挨拶。
やっぱり黒づくめの17世紀オランダピューリタンの定番スタイルで。
ロン毛に口髭、レースに極めつけは超ツバ広帽子。
カウボーイ?
ヘアスタイルはこれからどんどんヅラや付け毛で頭のてっぺんが高くなるよ!
それで帽子がかぶれなくなっちゃうほどね。
でも帽子はこんな優雅なご挨拶をするのに欠かせなかった。
だから必ず持って歩いたんだよ。
↑イタリアの超大金持ち格式高いキジ家男子は「ラバ」とおそろいカフスでおしゃれ。
ラバは糊付けしたレースを折り紙みたいに折った襟で、大流行したよ!
スチームパンカーに人気の「喪の宝石」もこの頃デビュー
この17世紀ずっと流行るのは「喪の宝石」。
この頃疫病、飢餓、戦争が流行ったから。
それらをモチーフにしたモーニング・ジュエリーと言われるね。
骸骨、お墓なんかが流行ったよ。
19世紀のビクトリア朝紀元と言わるけど、もっと前だからね!
マンゾーニの小説「いいなづけ」舞台こそ、ちょうどこの頃。
小説では1600年代にペストが大流行りってことだったよ。
こんなロン毛ひらひら男子たちが出てくると思ってね!
フランスでは対照的にリボン、カール、ひだ飾り、見せてなんぼ!
17世紀後半には16世紀世界の覇者スペインもついに衰退したよ、あららら。
そしたら、この上ない華やかさのフランス宮廷ファッションもトップに出てきたよ~
ロココ時代開幕~~
1721年のポンパドゥール夫人繁栄期~フランス革命までだよ。
清貧オランダと対照的に優雅なリボンやカール、ひだ飾り、羽根がこれでもか~!
と出てくるヨ。
装飾を見せてなんぼのフランス宮廷ファッション。
まあ、株式なんかやってたオランダと比べると、
フランスは絶対王政で安定しちゃったてたの。
することないから色恋沙汰が命だったフランス宮廷の流行りは
ちょっと軽薄よりだよね。
ルイ14世の治世(1643~1715年!)でフランスが安定して強大になって行くのだ!
ここからのファッションリーダーはフランスだよ!
この人もキジ家の男性みたいに糊で固めて折った襟のラバとおそろいのカフスをつけてるね。
でも時代はカラフル。
前時代に流行った首の後ろの堅いレースをつけなくなると、なんとロン毛ヅラが流行りだすんだよ!
地毛はみっともない、貧乏くさい、エチケット違反!になるよ^^
ロココになった、柔らかレースで美女の心を捉えよ!!
1700年代になってロココの時代になると優美で繊細軽やかなものが流行っちゃうんだよね~
ロココ時代は1721年のポンパドゥール夫人サロンに登場から
フランス革命まで続くよ^^
色もパステル色が流行りね。
なのでレースもベネチア製より優雅でやわらかいフランス製が人気・・
そんなわけでファッションの流行の中心は引き続きフランスね!
男子二人を拡大してみましょう↓↓
もう首にラバじゃなくって、やわらかいクラバットというネクタイの前身になってますね?
さすがファッションリーダー。
シラノ・ド・ベルジュラックや
三銃士もこんな格好だよね。
さあ、やわらかいレースをイケメンにたっぷり合わせるのが流行ってくるヨ!
これが進むと現代ヨーロッパデザイナーの間で大人気「ベルばら」ファッション。
シャツの袖口レースをたくさん見せるために上着のカフスを大きく折り返してね!
袖口レースは手の甲にふわ~~っと長くかかるくらい豪華にしてね!
はっきり言って優雅じゃない人は人前に出る資格なし!だったんだよ。
上の絵はナポリの画家ガスパレ・トラベルシの作品。
全ておどけた見方で描いてるよ!
秘密を洩らすと死罪のブラーノ島の現在
15世紀ヴェネチアで国家トップシークレットを生産していたブラーノ島。
今ではカラフルな観光地になってて誰でも入れます^^
私はレースの学校に通いたくて観に行ったんですが・・
中国製品が溢れていてブラーノ島では本物のレースに出会えませんでした。
肝心のレースの学校に生徒はほぼいません・・
そこで作られているレースのクオリティはとても低く、
入学やめました。
ブラーノ島のザンネンな現在。
男子のたしなみフリフリレースの終焉
そんな長く続いた贅沢レースの歴史も幕を閉じます。
フランス革命の時、贅沢レースはお貴族様の代表ファッションなのでまずやり玉に挙げられます。
レースにブーブーブーイング。
だってパンが買えないから革命起こしたんでしょ。
これからは市民の時代。
これがニュールック↓↓
サヨナラ、レース!!
ただのなが~いクラバッタを首にぐるぐる巻きにするのになっちゃうよ。
ここ、「こなれ感満載!」
という感想を頂戴しました。ほんとだよね~
旧ファッションと新ファッションが同時に歩いてて、誰がどんな思想を持ているかは服装を見れば一目瞭然に。
旧ファッションの人は過激派に捉えられてバスチーユに行っちゃったよ。
そん時はもちろん贅沢品は没収されてね><
まとめ
レースファッションが花開いたのはピューリタン・スタイルの清貧思想から、というお話でした。
ルイ14世のフランス宮廷、究極のおしゃれ赤いヒールの靴についてはこの記事を読んでみてね!
靴の歴史、イタリア!15世紀の厚底スタイルアップから1700年モテるための小足術
同じくルイ14世のヅラについてはここね。
ヘアスタイルの歴史、ヨーロッパのメンズ!1700年男子のお作法はコレ!
ルイ14世ってファッションリーダーだから書くこといっぱいあって・・