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1800年 ボタン マリー・アントワネットの水彩画 ガラス入りの金の額縁 ボタン美術館 サンタルカンジェロ金ボタンに飾りボタン、くるみボタンに貝ボタン‥
今でもお高いボタンは高いけど。
昔は手作り一点細工物でも~~っと高かったんだよ~!
さっそく見てみよう!
意識高い系ロココ男子、唯一デコったのはメタルボタン!1700-30年
貴族ジョバン二・アントニオ・パラヴィンチの肖像 作者不詳 1721年ロココ男子が着ていたのはコート、ウェストコートにブリーチズ。
ウェストコートは丈長のチョッキ。
1700年初めから1730年頃のロココ初期。
中でもコートとウェストコートについてはちょっとお地味?
唯一の飾りはメタルボタンとボタンホール。
あとはフラップかスラント、どっちもポケットのふただよ~。
ここをいかにデコるのかが意識高い系男子の見せどころ。
上の貴族ジョバン二さんのコートに注目!
1600年代に比べてコートは長くなってきてるよ~。
そのコートにずらりとならんだボタン見た?
コートは前をあけっぱで着るの。
小さいボタンをぎゅうぎゅうに詰めてつけるのが流行るよ~。
でもボタンはニセボタン。
見せるだけで留めたりしないの。
フラップ(ポケットのふた)にもボタン。
カフスにもボタン。
下のウェストコートのボタンは真ん中まで留めるの。
あとはあけっぱが着こなしのキマリ。
なんでってその下のステキなブリーチズ見せないとダメじゃん。
アンサンブル 部分 メトロポリタン美術館 1730年
ジャン・リナルド・カルリ・ルッビの肖像 部分 バルトロメオ・ナッザリ画 1749年 カ・レッゾンチーノほらジャンさんも同じ着こなしだけど時代が進むと流行ってくる銀糸のふち飾りすごいわ~
スラント(ポケットのふた)の下にボタンあるけどボタンホールはナシ。
とめるっていう用途ナシ。
ボタンはただの飾り。
魔のボタン禁止令、罰金1700万円以上!1711-16年
みんなのボタン熱は白熱する一方。
ボタン詐欺、ボタン借金、ボタン破産‥
そんな1711年、ヴェネツィアにて。
250ドゥカーティは1700万円以上!
高すぎないか、この罰金‥
まあ罰金は重要な国庫の収入だったのでこんなもん??
イヤまさか!
ホントに1700万円払ってつけ続けたのかは不明だけど。
とにかくボタンはつけ続けられるのだ~
1785-1800年 ウェッジウッド制作 鋼にジャスパーウェアボタン V&A博物館ジャスパーウェアだから作られた柄を一つづつ背景に貼っていった‥
ウェストコートとコートにずらりとこのボタンをつけて着用された!
一体何個??
ウェッジウッド制作 鋼にジャスパーウェアボタン
製作技術は超高くついたけど何といっても土台の鋼が安かった‥
他は金銀宝石だしね。
ちなみにボタンはイタリアのサンタルカンジェロにあるボタン美術館でたっくさん見ることができます。
そしてロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館。
コチラは今をときめくオンライン見学でもじっくり見られます!
それでもやまないボタン熱、だって絵画作品中ボタンだらけ-ロココ中期
アンジェロ・メンモの肖像 ロンギ画 1760年アンジェロさんはヴェネチアの海軍人。
トリコルノ帽子につけたステキなボタンでも階層がわかるよ!
フラ・ガルガリオ 「ジェントルマンの肖像」 1720-30年あちらもボタンだらけ。
イタリア 1720-30年こちらもボタンだらけ。
ジェントルマンの肖像 フラ・ガルガーノ画 1715-6年このジェントルマンのはくるみボタン。
圧倒的な刺繍とコーデできるくらいの大金持ち♥
白熱のボタン合戦には金銀刺繍で対抗!1775年-フランス革命
コンテ・ジュリオ・フェデーリの肖像 アントン・フランチェスコ・ビオンディ画 1789年より以前
画像ちっちゃいけどさっきと別のジュリオさん、よく見てね。
もはや飾りで目立つにはボタンだけじゃなく金銀刺繍で盛って対抗だよ~!
コートに何個もついたボタンはただの飾り‥
ボタンは一個もとめずにあけっぱで着るの。
ポケットにもカフスにも用途のないボタンがずらり。
ボタンホールもなし。
スーツのコート 1774-95年 メトロポリタン美術館
スーツのウェストコート 1774-95年 メトロポリタン美術館上のコートの下に着るウェストコート。
こういうコートやウェストコートは服のカタチのパターンを生地においてから刺繍。
その後買い手のオーダーに合わせて裁断。
くるみボタンもボタンのサイズにあわせて刺繍してからくるむ。
映画衣装制作現場でいつもやりますよ~
各国のデザイナーと夜なべでいくつもくるみボタン制作。
穴場スポット、困った時の時短食からワーキングママパパ子育て事情まで知れてたのしい。
象牙のボタン 1775年 メトロポリタン美術館コチラは陶器に焼き付けた肖像画入りボタン。
もちろんダイヤで飾って。
貴婦人の肖像画入りボタン 象牙 18世紀こんな風に美人貴婦人デ飾って。
このクオリティのボタンがアンサンブル一着に付き40個とかね。
ウェストコート 部分 ピッティ宮殿蔵 1775-80年金糸銀糸凝ったビーズ刺繍‥
これで国民の税金使って。
そりゃ罰金だってフランス革命だってされるよね。
アンサンブル 1790年 メトロポリタン美術館フランス革命後のボタンはこうなった!
豪華な刺繍こそ姿を消したけど‥
高級生地でのくるみボタンを用途もないのにあちこちに。
これはやめられなかったみたいだね!
アンサンブル 1790-1800年 フランス ヴィクトリア&アルバート博物館
同 部分このステキなアンサンブルはフランス製の生地をイタリアで刺繍縫製したもの。
フランス革命直後に何という贅沢!
いいんですか??
現代ヨーロッパ映画界で引っ張りだこなボタンはどこの国の?
ちなみにヨーロッパで時代映画撮影用にシャツを作るときもボタンだらけ。
19世紀の映画を作るとしたらシャツだけで主役脇役合わせて100枚単位‥
私は今までに何個のボタン付けをしたことか!
使われるのは真珠母貝の貝ボタン。
正解は日本だよ~!
完全な形で一つ一つの模様がきれい。
超滑らかで色が澄んでる。
イタリアで気を付けないで買うと欠けてたりギザギザになっているのもあるくらい。
くすんでたり表の灰色の殻を使ってる部分もあったり‥
ブリーチズに寄り道!
最初に出てきたブリーチズってロココ貴族男子必須のひざ下までの半ズボンのこと。
よくある昔の王子様のカボチャパンツもブリーチズだよ。
半ズボン=ブリーチズは貴族のもの。
だってブリーチズの下にストッキングはかないといけないでしょ?
ストッキングは絹が主なとても高価なアイテム。
それにすぐ破れるから労働に耐えないね。
そんなわけで労働階級は長ズボンを履くんです。
ブリーチズはそれ自体飾りたてて自慢の一着に。
まとめ
小さいなボタン一つとっても超歴史が詰まってるってお話でした~
罰金とられてもなお冷めなかったボタン熱。
時代とともに大量生産できるようになって価格も安価になって行くのでした‥
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