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タイツ・ストッキング・靴下の歴史には愛と失意と見栄がたっぷり

タイツ
アオキ
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こんにちは、イタリアで15年デザイナーのアオキです。コネもなく フツーだったの私のお話はプロフィールへ。デザイナーで独立したいあなたはこちらへ
タイツ4月の寓話 フランチェスコ・デル・コッサ 1470年

みんなが知りたいタイツ、ストッキングの歴史。

タイツの歴史、素材、着こなしに関してお問い合わせすっごく増えてます!

アオキ
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ホントだよ、私がびっくりしたくらい!

ヨーロッパのタイツってもともとは男子もはいてた!

アオキ
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ズボンがタイツくらいぴっちぴちだったのよ~

ところでタイツ、始めはウール製編みモノ。

アオキ
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かっゆ~~!

それか麻とかを断って縫ったから体に合ってなくてぶかぶか‥

でもタイツがオシャレの主役の時代が到来してから何もかもがかわったのよ~

タイツにまつわる野望や愛、失意と虚栄見栄を見に行こう!

ルネッサンスおしゃれタイツの作り方は?伸縮性生地?

今のようなジャージ―とか伸縮する生地って昔はなかったよね。

アオキ
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じゃどうやってぴっちぴちタイツに?

オーダーメイド、体に合わせて編み上げることさ!

編み物は紀元前1世紀くらいからあったからね。

脚線美強調タイツが作り放題!

でもこうなるとあまりにも高価で王侯貴族しか買ないけどね~

タイツエリザベス女王が初めてはいた手編みシルクの長靴下

初めてシルク手編みの長靴下をはいたエリザベス女王は

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もう二度と布の長靴下には戻れない!!

って言ってます。

モンテーグ夫人からのプレゼントよ♥

タイツ編み物をする聖母マリア 部分 マイスター・ベルトラム  1400-10

今も残る証拠!編み物するマリアさま。

アオキ
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ね、1400年代だって編み物してたでしょ?

 

でもルネッサンス男子が戦場にまではいていくには丈夫じゃないと!

編み物じゃちょっと心もとない‥

だから一般的にはフェルト製!

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かゆいけど我慢か、かゆくない羊毛選んだか‥
タイツ夫婦の間 マンテーニャ ドゥカーレ宮殿 1479年

でもフェルトって別に伸縮しないよね?

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じゃどうする?

フェルトの材料の羊毛を着る人の上でぎゅう~っと引き伸ばしてカタチ作るの!

すっげー力でね。

それから底が丸いアイロンでじゅ~っと伸ばしながらふくらはぎやモモのカタチを作っていく。

アオキ
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実は伸縮性、ないよ!

 

でもこれじゃ動きにくいよね?

しょうがないのよ~

流行りなんだから。

ま、労働者用の動きやすい着こなしってものあった。

アオキ
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その前に基本のタイツってどんなの?

タイツの歴史はルネッサンスがど真ん中!

タイツ東方三博士の礼拝 部分  ジョルジョーネ ナショナル・ギャラリー(ロンドン)1506-7年  アレンデール・グループの一枚

基本のタイツについて。

まずはこちらのルネッサンスイケメンにご案内いただきましょう。

西洋絵画史上最も謎に満ちたヴェネチアの画家、ジョルジョーネ。

何とも言えず詩的な作品が実は天才ティツィアーノのモノだって言われてたり。

現代ではなんだかんだで6点しか彼のモノは現存してない‥

 

とにかく。

アオキ
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巨匠の作品いたるところにタイツ男子が!

なぜならルネッサンス男子おしゃれの主役はタイツなのだ~

女子はおハゲね。

彼らがはいてるのはぴっちぴちタイツ。

なんとこれがズボンなんだ!!

 

左の白ニッカーボッカ風ズボンのお尻に穴あいてるの見える?

穴あいちゃったんじゃなくて動きやすいような工夫の切れ目ね。

このズボン、ゆとりあってたるんでてすっっっごく珍しいパターン。

 

フツー人気だったのは右の黄色いタイツタイプ。

しわたるみ厳禁!ダサい!ビンボーくさい!

聖十字架伝説 部分 ピエロ・デッラ・フランチェスカ 1452-8年 アレッツォ サンフランチェスコ聖堂

上の絵の左、緑と赤のタイツに注目!

もともとタイツは靴下みたいに左右独立

つながってたら生地に伸縮性ないから破れるって。

それをヒモで上着に結ぶの。

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でもパンツ丸見えじゃ~ん!
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ところがこれなんとパンツじゃない!?

でもその前に‥

タイツ4月の寓話 部分 フランチェスコ・デル・コッサ 1470年

タイツは上の絵みたいに左右別々の色が基本。

ここでは赤と白。

色はそれぞれ貴族の家の公式カラーで。

よく見ると足の底に靴底が仕込まれてて丈夫な仕様になってる!

タイツルーカ・シニョレッリ マギの崇拝 1400年代後半 ウフィツィ美術館蔵
アオキ
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この人たちの縦横無尽なカラータイツみた?

これが最先端イケメン、超モテだったのだ!

 

このタイツ、英語のファッション用語辞典ではショースって言われるけど。

そんなの国によって呼び名がちがうから覚えなくてOK。

ルネッサンスはイタリアからだからイタリア語でタイツ事情見てみよう。

 

アオキ
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なんでここまで恥ずかしいくらいぴっちぴちタイツが流行るのよ~?

それはルネッサンスはギリシアローマの自然美の再生だからヨ。

自然な肉体賛美

オリンピックだってすっぽんぽんで競技してたでしょ?

さすがに中世カトリック教義のキマリ以来すっぽんぽんはモラル違反だけど。

何とか肉体美を見せないと!

 

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中世のぶかぶかチュニックは脱ぎ捨て!

初めは上着が長かったんだけど‥

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だんだん白熱してぴちぴちショート丈上着ともっとぴっちぴちタイツでキメて!

 

タイツが超流行ったからルネッサンスにたくさんのタイツ用語が飛び出すのだ!

これらはこのころのイタリア標準語フィレンツェ方言から。

ダンテも使ったヨ。

1400年フィレンツェ標準、最重要タイツ用語!

タイツモーゼの火の試練 部分 ジョルジョーネ 1505年 ウフィツィ美術館

最も大事なのが

  1. ズッパレッリ
  2. ブラゲッタ

現代でお目にかかったら即逮捕!のこれら、何かというと‥

  1. ズッパレッリ=上着やシャツ、タイツの各パーツを結ぶヒモ。先に鉛がついてる
  2. ブラゲッタ=股間袋

初めはズッパレッリは5本づつって暗黙のエチケットが。

でもだんだんこの絵のように用もないのにズッパレッリをジャラジャラたらすのが流行って行った‥

先の鉛部分が超絶細工物になってどんどん高価に‥

 

注目!ブラゲッタ!

アオキ
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これこそがタイツが流行った理由なんじゃないかと思わるくらい我先に見せる部分

 

これがなかったころは股間からシャツのスソが出てたのよ~

馬鹿だねやめて~

 

そんなわけでタイツをはいてブラゲッタをヒモでタイツに結んで下半身のおしゃれは完成!

でも本来隠れているべき部分を強調してオシャレにしたってんで話題沸騰スキャンダル!

タイツの反対の色でつくったりしてね。

ウマの毛のパッドをいれてカタチを整えて‥

 

右端の男子、ひざ下にズッパレッリ結んで差をつけて♪

日本のどのファッション史の本にも載ってないからぜひ覚えといて!

男性タイツの真ん中は魅せないと失格!

だからさ。

ここは神聖なる芸術の殿堂、オルヴィエート大聖堂なのよ。

アオキ
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ここで最後の審判チューにアンタらなにさ!
タイツ雷 最後の審判 ルーカ・シニョレッリ1499年
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そんなカッコでホントにいいと思ってんのか~??

でも神のカミナリ(シャレじゃないよ)に打たれるまえにぼくちゃん野良着から公式着に着替えたよ♪

 

ブラゲッタがタイツと色違いでインスタ映えするでしょ~♡

アオキ
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写真撮っていいよ~

撮るかそんなもん!

これでもお貴族の家々代々の公式色なんだよ‥

倒れてる人の大事な部分もよく見てあげてね!

3Ⅾで上手いよね~

 

そしてこのくらいきっちりぴっちぴちがジョーシキ!

アオキ
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これからみんなブラゲッタの中に詰め物してどんどん大きくなっていくんだから!

労働者はルーズソックス風で大事なタイツを死守!

タイツ十字架にかけられるイエス 部分 ピエロ・デッラ・フランチェスカ アレッツォ サンフランチェスコ教会
アオキ
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さっきも言ったけどフェルトのタイツってぴっちぴち固くて動きにくいよね?

それに激しい動きで大事なタイツが破れたら一大事!!

だから労働者は女子高生のルーズソックス並みに下げたはいてたのよ~

ここでは長~いシャツのスソも見えるでしょ?

タイツは靴下みたいに左右独立してるから歩きやすいし。

タイツサン・ロッコ カルロ・クリベッリ 1470年

 

サン・ロッコはペスト患者治した聖人。

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なぜかあんよパンツ丸出し?

これはあんよの傷を見せてくれてるから。

ここをワンちゃんが舐めてくれてペストの抗体がはいったのよ~

アマビエさんのように疫病に対する守護聖人なのだ。

 

上着からヒモのズッパレッリをほどいてタイツを下げる。

アオキ
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パンチラかと思いきやシャツですよ~

シャツのスソを長くして前まで持って来てロンパースみたいにくるむのよ。

これが見えてるとダサいってんで股間袋のブラゲッタができたんだけどね。

 

じゃ上着を長くしろよって話だけど、ダメ!

上着は絶対短くヒップを見せて。

アオキ
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体型カバーでおおったりしちゃイモなのよ~

だから時代とともに上着はどんどん短く、タイツはおへそまで伸びてくよ。

ストッキング自動編み機の発明は牧師さんの愛と失意から!

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でもストッキングやタイツってさ、手編みしてるとなかなか完成しないよね~

昔、16世紀イギリスに一生懸命編み物をしている女性がいました。

牧師である夫のウィリアム・リーは妻を助けたい一心で編み物の機械を研究。

9年も血のにじむような改良を重ね‥

1589年ついに完成!

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世界初のウールストッキングフレーム編み機!!

1598年までには絹でも機械編みできたんだって。

 

 

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エリザベス女王に特許申請したけど認められない‥

「あんただって編んだシルクニット長靴下好きじゃない?!」

って言ったかは知らないけど‥

 

パリに行って研究、今度はアンリ4世の庇護をうけるよ~

なんと労働者と工房持ちに!

また発表したけどやっぱり認められず‥

だって手工業組合が困るじゃない

政府とギルドは癒着して絡み合ってて‥

ビジネス感覚0の牧師様がはいるスキなんてないのよ~

ウィリアムは失意のうちに死んじゃった‥

 

今度はそのアシスタントの一人がイギリスで改良を重ねる。

アオキ
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後は清教徒革命で亡命したユグノーの紡績業者が乗っ取りして、ビジネスとして発展させちゃって大儲け!

 

ところで1800年ごろ何があった?

産業革命だよ~

 

このころまでにさらに改良されてストッキング編み機はレース製造機になっちゃった!

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ヴェネチア、ブラーノ島のレース職人、転落はじまるよ

昔は島に閉じ込められて帰りの船もとられて‥

超高給で秘密厳守のヴェネチア海洋王国の威信賭けたすっげー手工業産業だったのに。

ロココで沸騰!シルクストッキング熱

タイツ女性ストッキング シルクニットLACMA 1700-25年

豪華な赤いストッキング。

普段はムダに長いスカートに隠れてる。

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でもほんのちょっとした拍子に見えたら悩殺!

おおおおっ!足の甲が見えた!って感じ。

タイツぶらんこ フラゴナール 1768年ごろ
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フラゴナールのこの絵でストッキング赤かったらどうよ!?

 

モテるのに必須のうっす~い透け感まであるぴっちぴちシルクストッキング。

個人が買うにはまだまだ高価よ~

庶民はウールのストッキングだからね。

まとめ

タイツの歴史が花開いたのはイタリアルネッサンスから、というお話でした~

需要なのは

  1. ズッパレッリ=各パーツを結ぶヒモ
  2. ブラゲッタ=股間袋

だよ。

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