話題の『二ノ国』、クリエイター志望は必見だよ!
この記事ではデザイナーの私が
- ファンタジー世界構築のアイデアの出し方
- クリエイティブな発想の磨き方
を教えちゃうね!
制作総指揮日野晃博さん、監督百瀬義行さん、音楽は久石譲さん。
究極のテーマ
「どちらかの命を救えば、もう一方が死ぬ」、
と普通の高校生の葛藤を描いた大作。
とにかく話題で
きれいサイコー良かったつまらない酷い感想が様々。
あなたの見方はどんな見方?
私は断然デザイナー目線で、とても興味を持って最後まで観たよ!
舞台美術が建築史のオンパレード!
それを二ノ国の世界観を通して百瀬義行さんが原画作成。
あらゆる時代と場所のエッセンスが絡まった背景デザインが統一されて一体となっている様は見事。
本記事は作品のネタばれはありませんが
背景の見どころ解説になるような内容を含む解説記事
となっています。
まだご覧になっていない方はお気を付けください。
先入観なしに作品を楽しみたい方は、『二ノ国』を見た後で
お会いしましょう^^
目次
エスタバニア王国全体は中世ヨーロッパと15世紀ベネチア!
見どころは何といっても「二ノ国」の世界観、背景美術!
なんてデザイナーの私が勝手に言うだけだよ^^
あまりにおこがましいんで、私はよそ様の作った作品に評論は一切しません。
「二ノ国」って現実の我々の世界とどこかでつながっている架空世界。
だから我々の世界に即して世界が作られています。
完全に0からある世界を作ってしまうと、途端にウソくさく物語っぽくなってしまいます(;´∀`)
現実に即したしっかりしたリアリティのあるファンタジー世界構築は、こんなところからもヒントを得ることができるよ^^
紹介するね!
例えばエスタバニア王国全体は中世ヨーロッパなんてどう?
今でも現実に残っている街並みからヒントを得ることもできるよね~?
ベネチアの1400年代の建築を登場させると、家々のバリエーションが広がるよね!
事実、「二ノ国Ⅱレヴァナントキングダム」でアートディレクターの梁井信之氏が「現実からヒントを得て、ファンタジーとを混ぜ合わせている」そう。
なるほど、台湾の屋台とかグランド・キャニオンとかね。
岡本太郎さんの太陽の塔まで使える!?
岡本太郎さんの作品「太陽の塔」もからもインスピレーションを受けるよね。
さて映画内ではどの場所のヒントになるかな?
エスタバニア王宮はハギアソフィア寺院!
エスタバニア王宮全体図はハギアソフィア寺院はどう?
アーシャ姫とユウが乗るガラスの飛艇船はガレのガラス工芸なんて、ステキな空想の乗り物が出来るよね?
エスタバニア王宮インテリアはアールヌーボーからもヒントを得られるね!
ガウディ建築も参考になるよ^^
グエル公園、カサバトリョ・・
まだまだあるよ~
ガラス張りの中庭はパリ万博のグラン・パレ
王宮内の巨大な温室はパリ万博の鉄とガラスのグラン・パレは?
温室とそこにある棕櫚の木とか植物、そこに円形ソファを置いてくつろぐのが19世紀末にすっごく流行ったんだよ!
お次はパリのギャラリーラファイエットだよ!
ユウとハル、剣闘士とのシーンはもちろんコロッセオ!
ユウとハルが剣闘士と戦うシーンはもちろんコロッセオで。
ただし世界一でかいローマのじゃなくて、アフリカとかによくある小さいタイプね!
これはチュニジア。
コチラはプーラの。
これだけでエスタバニア王国が小さいけど豊ってことがわかるよね?
敵ガバラス側の舞台美術はもちろんコレ!
敵ガバラス側内部は荘厳で冷たいゴシック建築が参考になるんじゃな~い?
フランス、ドイツも参考にね!!
おまけ:舞台美術映えするロマネスク彫刻
ココからは映画とは全然関係ないよ!
でもいちおファッション史専門学校だから、デザイナーからの一口メモ。
クリエイターとして発想の源泉を磨くならロマネスク彫刻がおススメ!
マイナーだし何よりパワーがあるよ~!
中世はアーティストは作品に名前を付けることがなく、ひたすら神のために作っていた時代。
自分のための表現じゃないから、カトリックのがんじがらめの決まりに従ってたんだ。
でも自由に表現したい欲求が、抑圧されてもなおほとばしってきて、もう圧倒される。
この彫刻、まずデザインの需要として、教会の柱頭のカタチにピッタリはまってなきゃいけなかったの。
そして地獄に行ったらこんなに怖いぞ!!っていう脅しを3Dで文盲な庶民にすりこまなきゃいけなかったの。
地獄→怖い→教会→寄付→天国、すごいビジネスプランだよね。
でもこれ置いてあるの教会だよ!?
真面目なお祈り中に私だったらゲラゲラ笑っちゃう><
↑鳥の首絡まってる??
そこまでして柱頭に入れ込むか??
↑次回作のキャラクターにいかが??
ファッション史や建築にちょっとでも興味を持ったらまずはこの記事から↓↓
誰も言わないヨーロッパファッションの歴史、○○との秘密の関係?流行は繰り返す?
クリエイティブな発想の源はココに書いたよ~^^