服ってさあ
その人が所属する地位で変わるじゃない?
下着のパンツはどうなのよ?
実は男性なら一部の時期を除いて貴族も庶民も形は同じ!
違うのは素材だけ。
高級綿・麻やウールかバーゲン品か。
だたそれだけ。
じゃ早速パンツの歴史男性ヨーロッパ編を見ていくよ!
目次
古代エジプトのシェンティ
古代エジプトで使われてたのは壁画によく残ってる腰布。
これが綿か亜麻のシェンティ。
エジプト古王国時代から新王国時代の1500年間以上も使われた!
シェンティの歴史長くない?
これがエジプトのシェンティ。
ひもが付いた布を腰に巻き付ける。
真ん中に垂れてる三角のは別付けのたれ布。
貧乏人庶民は太もも丈の雑な短い布を腰に巻き付けて結んでオシマイ。
高位の神官や貴族は透けるように薄い麻シェンティを優雅に細かいドレープをつけて腰に巻き付けるの。
長さはひざ下や脛まで届いたりと長くするよ。
豪華な飾りベルトで留めるの。
着物の裾みたいに足が開かなくなるけど
労働しなくていいからね。
ファラオのシェンティはもっと豪華でたれ布が黄金だったり。
古代ギリシャのパンツ、現代イタリアで蘇る!?
さて今度は古代ギリシャのパンツをみるヨ~
古代ギリシアの男性が付けてたのはふんどし型のペリゾーマ。
この壁画に登場するのは女性曲芸師だけど男子もこんなペリゾーマよ。
ペリゾーマって当時の腰覆い下着の総称なんだけど。
だってこれ現代イタリアで「Tバック」のおパンツのこと‥
おねいさんが履いているアレです。
海辺にペリゾーマのビキニのおねいさんが沢山いるくらい
イタリア女子の間ではごくフツーのパンツ‥
古代ローマのスブリガークルムとパンツ革命
古代ローマ帝国時代の衣服はトーガやチュニック。
だから下はスカート状になってる。
この頃の古代ローマ帝国ではスブリガークルムってパンツが使われたよ!
①スブリガークルム現代風タイプ
剣闘士も履いてる。
大事な部分を隠して腰ひもで結ぶ。
②スブリガークルムふんどし風タイプ
こんな三角の布タイプもあったよ。
この超素晴らしいモザイクはスポーツする女子だけど
男子も同じモデルで。
逆三角の2つの角をおへそあたりで結ぶ。
男子は下に垂れる角をおまたとさっき結んだ部分を通して前全体にたらす。
ふんどしの着付けとおなじだね。
チュニックの下につけてもいいし
肉体労働者なら裸にこれだけで。
ところが!
この古代ローマ帝国でパンツ革命が起こります!
むか~し紀元前121年にチュニック風の鎧を着た重装歩兵隊中心の歩くローマ帝国軍が北のガリア人を征服。
敵国ガリア人は騎馬民族で馬に乗るのに便利な長ズボンを履いた!
初めて見るズボン。
ローマ帝国で市民以上はローマの民ってステイタス見せるためにトーガ着用権を持ってた。
トーガはローマ市民権の象徴!
ズボンなんて野蛮下品!
ガリア人のことを
「ブラカエ(ズボン)を履いた野蛮人」ってあだ名つけてます‥
でもこんなに馬鹿にしたくせにやっぱり馬に乗るのに便利!
ブラカエは生き残る‥
時代が進んでチュニック着るようになったイタリアでもヨーロッパ全土でも13世紀ごろの中世にはブレーとかブラケって呼ばれるズボンになって広まっちゃうんだよね~
注意!
ブレーはズボンのこともあるけど下着のパンツのこともあるよ。
ちなみにズボンのブレーは赤縞など派手~なものも。
とにかくトーガやチュニックの下半身スカートタイプからズボンへの衣服の変化に合わせて下着もふんどしからパンツへ!
これがパンツ革命。
腰巻からふんどしへ、そして便利なパンツへ‥
日本の男性着物とふんどし、
洋装ズボンからはパンツへ
というのによく似てるね。
中世ヨーロッパのパンツを知るためにアレを見よ!
おパンツの歴史についていつも質問が多いので
ここにもあるけどもう一回新たな画像加えるね。
さっきのガリア人ズボンのブラカエ。
中世になってもモデルは相変わらずこんなゆったりしたズボン型。
これはウエストで縛って履きます。
裾が労働で邪魔な時はウエストのひもでからげるの。
ブレーの着こなし
- ズボンとパンツのようにブレーを二枚履き♪
- ブレーとタイツを合わせる!
左の青い人ゆる~~い緑のタイツ履いてるのわかる?
これがパンツ用のブレーとタイツの着こなし!
でもまだタイツの着こなしがたるんでて甘い。
このパンツ用ブレーが股下でもたもたしてだんだん着付けの邪魔になってくるんだよね。
そこで中世にはすでに今のボクサータイプのパンツが登場。
世界一有名なあの人がパンツを履いていない理由
ここでパンツドキュメントの聖画を見てみよう。
洗礼のヨハネに洗礼を受けるキリストが水に入ってるシーン。
マソリーノによって描かれた
右の男子群パンツ一丁になってさあ、洗礼を!
という瞬間。
ボクサーパンツの人がいます!
パンツ姿でぴっちりした靴底付きのタイツを脱いでる人がいます!
左右別々の緩い赤タイツ脱いでる人シャツの裾が外に出てます!
続いてピエロ・デッラ・フランチェスカ作の同じシーン。
ここでも右の男子はブリーフ型のパンツが見えています。
ちなみに
ルネッサンスの男子下半身はぴちぴちタイツが主流。
そしてまだパンストは発明されてなかったから片足ずつ別れたデザイン。
タイツのウェストを左右それぞれ上着の裾にひもで結ぶの。
タイツの一大絵巻歴史詳細はココ↓
ここに挙げた画像のように
下半身の着付けは
- ボクサータイプのおパンツを履く
- その上にシャツの裾を前後に交差させてパンツを隠す
- タイツを履くけどお尻部分はシャツが見えている
となります。
でもジーザスクライストスーパースターの世界一有名なあの人、
イエスキリストは腰巻だよね?
なぜ彼だけ時代錯誤なの?
聖画では登場人物に描かれた時代の服を着せることが多かった。
例えば
聖カテリーナはアトリビュートとして棘付き車輪を持つけど服はその時代の流行最先端の服を着てたりする。
聖母マリアは青い衣に赤い服。
それは描かれた衣服自体がアトリビュートだから。
カトリックの人が青い衣と赤い服の女性を見たら条件反射で聖母マリアになるの。
日本人は男の子と桃が描かれてたら桃太郎でしょ?
このキリスト磔刑の絵で二人の泥棒はパンツだよね?
でもイエスさまは腰布。
時代的に1445年年分の開きがある下着姿で描かれるのおかしくない?
実はこれ全然おかしくない。
キリスト磔刑時、聖書の記述の概要は
『上着は(多分縫い目で)切り分けられ分配されるが、下着は縫い目のない一枚布だったのでもらう人がくじ引きで決められた』
この縫い目のない下着は当時パレスチナ産で有名だった筒状の縫い目のない布製だといわれるよ。
高価な腰布として引っ張りだこだったから処刑担当の兵士たちのチップみたいにもらわれたの。
絵の右下座り込んでローマ兵がルーレットしてる。
この腰布がキリスト磔刑のアトリビュートなので時代を超えてパンツじゃなくて腰布のまま描かれるんだよ! このサイトには無料でたのしめるメルマガがあります。
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