詳細に見てまいりました。
彼女がファッションリーダーになった頃にはすでに
繊細優美なロココスタイルは確立されてたってことだったよね?
そのファッションリーダーの下地を作ったのが1703年初演のとある舞台。
なぜか全然知られていないファッション史の秘話だよ。
目次
始まりは1703年コメディフランセーズ、「アンドリアン」!
なぜこれが流行ったかは、ファッション史の本には出てこないよ。
OTAKU過ぎるからか、当時は流行りが一瞬しかだけだったからか‥
でもそれがこの後200年以上にわたって繰り返し流行っちゃうんだから!
重要チェック項目だよね?
コトの始まりは1703年パリのコメディフランセーズ!
バロン作のコメディ「アンドリアン」初演の夜。
主役のM・テレーズダンクールがこの優美でルーズなニューモードで登場して大ヒットさせちゃいます。
今でもそうだけどオペラや劇の初日ってドレスコードが超厳しくて、
バリバリに着飾った男女でごった返すの。
当時娯楽はこれしかなかったからなおさらだよね。
みんなは前時代のカチコチファッションで超タイトにキメてるの。
そこへ「アンドリアン」の優雅なゆるシルエット登場!
一夜にして称賛の的に!
テレビもネットもない当時は流行の発信地は劇場か貴族だったからだよ!
アンドリアンってどんなドレス?
アンドリアンの特徴は
- 胸元まで大きく開いた襟ぐり
- 後ろの流れるようなルーズシルエット
- 襟元から背中に幅広の折り目が畳み込まれている
- 動きやすくて快適便利
①胸元まで大きく開いた襟ぐりは、丸見えくらい大きく開いているよ。
1600年代終わりごろからずっと続いた戦乱は終わり。
平和の時代だったから宮廷では
恋愛とおしゃればっかり流行っちゃうんだよ。
それでこんな胸元を大胆に見せたスタイルが受けちゃうの^^
まずタオルをバストの上において
コルセットを締めるでしょ。
そして胸元からタオルを引っ張り出すの。
そうするとバストが超アップされてこんな感じになるよ。
ところで戦乱続きで威厳を示すのが大事だった1600年代前半では
みんなあごまで堅いレースでおおわれてるよ^^
②後ろの流れるようなルーズシルエット、
これこそがアンドリアンが流行った理由!
自由に、のびのびと優雅に、チャーミングに・・
カタチがないくらいぶかぶかでふわっとルーズな優美さを持ち、
流れるようなゆるシルエット。
③襟元から背中に幅広の折り目が畳み込まれているおかげで
④動きやすくて快適便利
裾に向かって高級生地がたっぷり広がるからゴージャス感満載!
でもなぜかアンドリアンは1703年の一瞬で消えちゃうの。
それが1710年から15年の間にリバイバルされて。
それからニューモードは宮廷女子たちのお気に入りのスタイルに。
それからやっと1740年に一般庶民にまで着られるようになるよ。
メイドにも貴族のおうち用にも、かわいい化粧着にもね。
背中に屏風みたいに生地をたっぷり織り込んで。
現代ではなんでワトーガウンって呼ばれるのさ?
実はこのアンドリアンって1700年代通してずっとと、
それ以降も流行るんだよ。
1703年デビューから1789年のフランス革命まででしょ。
一時中断して19世紀後半から1960年代までね!
でも「アンドリアン」って調べても全然出てこないよ。
というのはこのドレスを着用した女子を描いた有名な画家がいるんだけど。
彼はアントワーヌ・ワトー(1684年~1721年)ね。
彼は1721年に結核で夭逝してしまいます。
彼の絵にアンドリアンを着ている女の子がぎゅう詰めにされてるの。
それがあまりにもロココ時代の優美ではかない繊細さを表していたために
彼の名前を冠してワトーガウンとかワトーって呼ばれてるから!!
彼は崩れる前のシルクの一瞬のきらめきを描いてるんだよ。
そしてココから後世に繊細優美なロココ時代の代表スタイルとして
世の中に知られることになっちゃうんだよ。
1700年代半ばからは宮廷の公式ドレスにまでなっちゃって
「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」
つまり「フランス風ドレス」って呼ばれるよ。
マリーアントワネットがファッションリーダーになる下地を作ったワトー
全員ワトー付きドレス。
1778年に女流画家ルブランに描かれたマリーアントワネット。
背中にワトーのひだが見えるよね?
これは宮廷用公式ドレスで「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」。
こっちは5年後↓↓同じくルブラン作。
マリーアントワネットも同じドレスを着ている?!
宮廷用公式ドレスだから制服みたいなものね。
でもヘアスタイルが1780年代に王妃が流行らせた
シュミーズドレスの時↓↓と同じように自然に、軽やかになってる!
プチトリアノンで田園生活をエンジョイするときにはこのシュミーズドレスね!
生地が広いから飾るところが超いっぱいなローブ・ア・ラ・フランセーズ。
マリーアントワネットはファッションリーダーとして
ありとあらゆる装飾で優美なワトー付きの
ローブ・ア・ラ・フランセーズを着倒しちゃう。
だんだんスカートを後ろでたくし上げたポロネーズの方がお好みになって・・
ルソーの「エミール」なんかで自然への回帰も流行っちゃって。
そ・し・て、
ちょっと待って!人工的すぎない?わたくしって虚飾すぎ?
ってことで次の自然な感じのエンパイアスタイルの先駆けを作っちゃうんだよ。
1800年代あそこにもここにも繰り返し流行るワトーガウン!
こんなに繰りかえされるなんてもうファッションの殿堂入り!
200年以上も繰り返し現れるって言ったでしょ?
19世紀ヴィクトリア朝ではハシリの自動車に乗るときのコートにも。
背中の折り目のおかげで動きやすいからね。
1900年前後に大活躍したファッションデザイナー、ウォルスもコートに取り入れてたよ!
1950年代のバレンシアガだって。
フードの下にワトーが隠れてるよ^^
最近でも背中の丸いシルエットを出すために使われるよね?
まとめ
ロココ時代の優美繊細ファッションの幕開けとなった
アンドリアン秘話でした~^^
- 今ではワトーと呼ばれてるからアンドリアンで調べても何も出てこない
- ロココファッションの下地を作り、これにファッションリーダーマリー・アントワネットが続いた
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