【1章】20歳で着物デザイナー、人間国宝級のテクを盗んでイタリアへ!
【2章】イタリアのデザイン事務所に体当たり、やり手社長の正しい商業デザイン!←イマココ
【3章】超難関!イタリア国立映画実験センターで不滅の衣装デザイナーから直指導
この章は私がイタリアであっという間にデザイナーになれたきっかけについてです。
24歳、イタリアに住んで2年目。
それは正しい商業デザインのノウハウをやり手社長から直接学びつくしたから。
イタリアのデザイン事務所へ体当たり職探し!
さっそくバイト探し。
まず画家の友人にデザイン事務所の名前を教えてもらいました。
イタリアには個人経営のアトリエがた~~っくさん!!
その中で可能性を感じたのがFデザイン事務所。
ここが一番手描きの植物デザインを大切にするところのよう‥
『私という日本の手描き友禅職人』の需要が一番ありそう。
そしてこの事務所は
と思い、ここに聞いてみることに。
もちろんデザイナー公募なんかしてない。
自分で直接電話で体当たり。
すると自作の植物画を数枚持ってきてくれと言われました。
私は数枚どころか100枚持って行きました。
日本画、水墨画、西洋のいわゆる植物デッサン・・
正確なデッサン力だけでなく描くスピードを見てもらいたかったから‥
コワい社長が直接絵をジロジロ。
その後実技試験日が3日間‥
めでたく採用となったけどコワかった!
こうして私はイタリアでフリーランスのテキスタイルデザイナーに‥
イタリアのデザイン事務所で実際に働くって?
やり手社長に毎日言われたこと↓↓↓
「あなたは描く人、デザインする人。
私、絵は描けない。
でも売れるものはわかる。
売り方もわかる。
私はマーケティングする人だから。
自分勝手なデザインはしないで。
私が道を示すから”需要があるもの”を作って。」
ワンマン社長みたいですが、当たり前のことを言っています。
彼女はユダヤ系アメリカ人とハンガリー系イタリア人のハーフ。
苦労もそれなりにしたらしい。
私がそれまでやってきたのは着物デザイン。
高価な一点ものの芸術作品をつくること。
デザインから染めるまで、一点作るのに何か月もかかって当たり前。
今回飛び込んだのは全然違う新しい商業デザインの世界。
それを業界のプロから直接指導される毎日。
量産、スピード、需要、売れる、売れない・・
ところで
目標は各国の生地見本市で売れること。
まずは見本市を選んで、その方向にあったデザイン画を何点か出品します。
そこで売れた自分のデザインだけをリノベーションして次の見本市へ出品します。
これの繰り返しを、ものすごいスピードでこなします。
あるときプラダでくちびるをプリントしたラインが発表されました。
水墨画調、日本画調、リアル、漫画風、鉛筆、顔料・・いくらでもリノベーション可。
結局、水墨画調のものがたくさん売れました。
ようするに出品数が少なくて需要があるデザインが売れました。
凝った芸術的デザインでなくていいんです。
ヨーロッパクラシックデザインも絶対イタリア人に負けないために
それなら常にヨーロッパで需要のあるクラシックデザイン!
これで絶対イタリア人デザイナー並みの需要を獲得しないと。
クラシックデザインとは、植物をモチーフにした伝統的なデザイン。
ほんのちょっと日本っぽい画風のものが売れました。
そして現代ではやはりiPadやコンピューターで描く方が主流です。
私は手描きならではの素朴な味があるものは描きませんでした。
機械より正確に!
人間にしかできないはずしパターンを入れるようにしました。
インテリア用のテキスタイルデザインは、80センチごとに繰り返されるパターンで描きます。
繰り返されるパターンだけだとコピー機の勝ち。
着物のデザインにはこう言うものがすごく多いですよ!
通常デザイナーからこのパターン付けは、ややこしくて大変なので嫌われるんですが・・
着物のキビシイ、デザインのお約束に比べたらインテリアテキスタイルデザインの決まりなんて何でもないし。
でも!
私もカッコいい最先端デザインをやりたかったんです!!
でもそれだとやっている人が多い。
まあ、クラシックデザインの方が需要がある割には作る人がいない穴場‥
知っていたので、それだけをやりました。
- 需要があるものだけを作る
- 今あるデザインをもっと洗練させてリノベーションする
- デザインとはデザイナーが作りたいものを作るのではない
- 作ることとマーケティングすることは別の仕事
これがイタリアのテキスタイルデザイン事務所でまず身をもって叩き込まれた、デザイン哲学です^^
次のステップへ!!
イタリアのテキスタイルデザイン界にも慣れた1年後のこと。
と思うように。
そんなある日、
というニュースが飛び込んで来ました。
3章 超難関!イタリア国立映画実験センターで不滅の衣装デザイナーからしぼりとれ!
1章 20歳で着物デザイナー、人間国宝級のテクを盗んでイタリアへ!