今回のテーマはぽっちゃりさんファッション!
1880年代からイタリアで超流行ったのはぽっちゃりさん。
あなたがアパレルデザインをするとき、ぽっちゃりさんへ向けたラインもちろんありますよね??
今はスレンダーが流行っていますが、人類の歴史的にみるとぽっちゃりさんが流行っていた時期も長~~~く、たっくさんあります!
ぽっちゃりさんファッションコーデやぽっちゃりさんファッションデザインの参考になるよ~!
今はタワーマンションとか細長いビルやシンプル、ミニマルライフスタイルがもてはやされる時代。
なので人間だってすっきりスリム!
でも時代によっては重厚ぽっちゃりインテリアが流行ったり。
1880年代からイタリア中心に流行ったのはダンヌンツィオスタイル!
モッテモテ超スキャンダラスなデカダンス代表、天才作家ガブリエーレ・ダンヌンツィオの小説のようなスタイル。
とにかく重たいゴブラン織りやカーテンクッションすべて重厚織物が大人気!
人間だって重厚に左右上下対称に!
目次
1876~77年、ぽっちゃりさんファッションの流行る前って、まさかの動物ファッション!?
ちょっと待って、その前にぽっちゃりさんファッションが流行る前って何が流行ったの?
超超ぽっちゃりさんファッション??
ぶぶ~~、まさかの1876~77年の超スリムカタツムリファッションです^^
ええ?カタツムリファッション~??
そう、ドレスは↑のような後ろになが~~いスソを引きずったデザイン。
もちろん日常着だよ!!
1876~77年からは猫も杓子も縦長シルエットが大流行!
外に行くときは一応このなが~~いカタツムリなスソを持ち上げてららら~。
でも、やっぱりゴミも一緒にからまって不便はなはだしい!!不潔!犬のフンどけて!!
っと言うわけで結構あっさりこの流行は去ってしまいま~す・・
でも絵になるシルエットですよね~
というワケでパーティードレスにだけ1876~84年まで使われました^^
ちなみにこの絵のマリアお姫様のおうちは今もありま~す。
マロッツィ家の子孫がこの絵をミラノのご自宅に保管しています!
1862~67年って史上最大超巨大スカート?!
でもその10年前、1862~67年までは超横幅たっぷりシルエットが流行ってたよ!↓↓↓
映画史上に燦然と輝くヴィスコンティ監督の『山猫』のドレスを着ようとして、
呼吸困難!!になった話だよ!
1865年ごろのクリノリンはこれ↓
座るときボーンの上に座んないといけなくて超痛かったんだって!
じゃ、つけるのやめれば??
でもさ、この超巨大円形スカートの流行からはすれるのって勇気いるよね・・
う~~ん、蛮勇・・
1867~75年にはお座り革命!?と、やせはじめ!!
1867~75年には前がまっすぐなバッスルの前身スタイルが流行。
なんで~~??
だから座るとき痛いひざ裏部分のボーンを外したらこうなった!!
ボーンが足にあたらずに座れるよ^^
ちなみにこの鳥かごはクリノレット(覚えなくてもいいよ)と呼ばれます。
女性の参政権うんぬんどころじゃないよね、もうお座り革命だよ~~
すごい発明だね~~
イヤイヤちがうヨ、これも1770~80年に流行った帽子からのリノベーションなんだよ!
1700年代後半には超巨大なヘアスタイルを押し込む帽子が必要だったからね!
他にもパニエとかいろいろこの幌馬車みたいな、たたむ技術は使われていいたよ。
そんで1867年から、いきなりみんな細くなり始めるよ~!
そしてヒップにどんどんボリューム!
鳥かごが腰のあたりから後ろに「つ」の字にカーブするよ。
これは1790年代の流行のリノベーションだよ~~!
ほらね。
そして次の1876~77年には一瞬ヒップのボリュームがなくなって、カタツムリファッションくらいに細くなっちゃったというワケ。
順番とか用語は覚えなくていいです。
「シルエットってどんどん変わったんだな~」
「それに結構過去のファッションのリノベーションじゃない?」
ってことがわかっていただけたらOKです!
ころで3年たったらいきなりみんな痩せたの??
ちがいま~す、誰もダイエットとか筋トレで努力はしませんよ。
正解は体型補正下着一択!です^^
そんでさらに10年後の1880年には体型補正下着のシルエットが、
ガラリと変わるんです!!
また買わないと。
まあ、10年たったらさすがに下着、買い替えありだけどさ。
それにしても下着は今と違って全部手作り総レースの超高級品!
ファッション史の中では上記のように2年しか流行らない体型とかあって・・
そのたびにサイボーグなみにがちがちの超お高級体型補正下着全セット新調だよ><??
まあ、リサイクルかなあ・・イヒヒ
1880年、イカすぽっちゃりさんファッションは絶対○○○シルエット!
それでは1876~77年ふやふやカタツムリファッションにつづいたシルエットは、な~~んだ?
なんか動物??
ぶぶ~~、正解はズバリ1880年のがっちり砂時計シルエット!!!
ん、今度は砂時計??
なんでじゃ~~??
だってひらふわカタツムリファッションって、動きにくいじゃないのさ。
それにはっきりしないシルエットって作りにくいし、着こなしにくいしね。
今度は人間も砂時計みたいにビシッと左右対称↓
- 左右対称の砂時計型
- 前から見ると肩幅とヒップ幅が同じ
- 袖山が上がる!
- 肩幅超せまい!!
①体型が左右対称の砂時計型になってるよ!!
②胸がヒップ幅と完全に同じ幅になるように、パットを入れてたんだよ!
絵の紫斜線部分ね!
③④なんかいきなり肩幅超せまいのが流行っちゃった。
それまで超なで肩が流行ってたから、肩幅せまくない人は切る??
いやいや!
袖山の位置をすご~~~~く高くして自分の肩幅よりもっと内側から袖を付けて、人工的に超せまい肩幅にしちゃったんだよ!!
う~ん、ずるっ。
↑だって2年前の1878年までこんな超なで肩が美人の条件だったんだよ!?
モテるために肩脱臼させてんの?
なんで2年たったら超肩幅せまくできんの??
ただの「服のパターンによります」なんて、マジで驚くよね~。
でもさ、そのままなで肩の袖付け位置だと、きれいな砂時計シルエットが出ないじゃない?
上半身だけ大きな太ったコーヒーカップ型になっちゃうよね?
だから袖山をできるだけ首の近くにして、肩幅せまくしないとね。
それから1880年からまたヒップにボリュームが出てくるヨ!
そして1885年にはヒップのボリュームは史上最大級!!
カタツムリスタイルからなんかいきなりスカートが四角っぽくなっちゃった。
上のマネの描いた油絵の女性を横から見るとこうなるよ!↑↑↑
全身がジオメトリックに、左右対称になったね。
ふわふわひらひら禁止!!
↑↑↑1880-82年のドレスね。
カタツムリスタイルよりヒップにちょっとボリュームがあるね。
「ちょっとしたおスソ」がついてるよ!
とにかく!前から見たら砂時計型
横から見るとヒップにボリュームだよ!
このシルエットはあっさり去ってしまったので、世界的にみて資料が少ない・・
ピッティ宮殿保管のイギリス製ドレス。
ピッティ宮殿の重役会議に忍び込んでもらってきた超貴重写真だよ!
まあとにかく、
このチビ鳥カゴはまだ小さい!
1885年から3年だけはやるバッスルスタイルの前身だよ!
もっともっとヒップにボリューム出すことになるね。
この5年間で現代1日本人が超長い記事かいちゃうくらい、流行は大変化!!
日本初公開!歴代ぽっちゃりファッションリーダーのドレス制作現場をのぞこう!
じゃあ実際に歴代ぽっちゃりファッションリーダーのドレスは一体どうやって作ってたんでしょうか~??
1880年砂時計シルエットのアンナに来てもらいましょう。
アンナは今ならとてもふくよか、ぽっちゃりさん。
服のサイズはXLでもきついってさ。
普段はビックTとか着て隠しちゃうんだってさ!!
だめだめ、せっかくのナイスバディを自慢しないと!
私が実際に1880年のドレスを制作した時の模様を日本初公開!
だって日本人で作った人があんまりいなくて、おまけに誰も公開してないからね。
まずはアンナにコルセットをつけてもらうよ!
ウエストのくびれにご注目~~!!
ヴィクトリア朝では「蜂のウエスト」として、この超くびれたウエストは憧れの的だったんだよ!
これは撮影用なので、ヴィクトリア朝の人みたいにアンナのおなかの肉を移動させてるよ!
バストとヒップの上下方向にコルセットでぐぐ~っとね!
↑↑↑この鳥かごの膝にぶつかる部分に注目!
これがみんなの疑問、バッスルでどうやって座ったの?
このひざの後ろ部分にはボーンが入ってなくてバッテンに通したヒモだけだよ!
だから痛くなく座れま~す!!
そんでこのバッテンのヒモを絞めるかゆるめるかして、自分で毎回鳥かごの大きさを決めます^^
オタクすぎてわかりにくい??
でも日本初公開の画像だから見ておいてね!
ちょっと飛ばして。
アンナで直接仮縫い。
アンナ、ピンだらけだよ~!
↑↑↑アンナの後ろ姿だよ~。
出来上がりです~!
ジャケットを着ているよ。
肩幅とヒップ幅が正確に同じ!
アンナのお相手役、フィリッポがきたよ^^
砂時計シルエット、モテ系後ろの姿のヒミツってなにさ?
ジャケットの後ろ姿に注目!!
このすそね。
しっぽ付き。
これひだの中に別生地が入れてあったり、リボンが入れてあったりして歩くと見える仕掛け。
『若者さん、私についてきてOK!』っていうサインなんだって!!
ついてきてって言っても「本当にちょっとだけ、結構距離をおいて後をついて来て」、程度だと思うけど。
そんな意味だから年配の既婚女性なんかは、あまり、たぶんやっていなかった後ろ姿スタイル。
やってたりして。
だから声をかけていいかどうかわかりやすかったってこと!
だからってナンパが横行していたとはとても思えないけど。
ぽっちゃりさんファッションに似合うヘアスタイルはコレ!
さあ、1880年トータルコーディネート、最重要部分はヘアスタイル!!
ぽっちゃりさんファッションにぴったりなヘアスタイルは低いゆるふわまとめ髪。
巻き髪でこなれ感出してね!
そしてこのマネの絵、実は鏡にこのバーの女主人の後ろ姿が写ってるよ!
ほらね、低い位置での巻き髪ゆるふわまとめ髪だ!
でもパーティードレスはまた違うんだよね~~!?
1880年パーティードレスの場合、首筋を大きく見せて!!
ごめんね、こんなシオリみたいな画像しかなくて。
1880年代の流行りはすぐ終わっちゃったから資料入手がむずかしいんだよ。
とにかく、袖山もできるだけ下にして、超なで肩!
そうすると首筋のヌード部分が増えてちょっと人目をひく感じ。
でもなんで~~??
なんでってさあ、1880年にはこれでオペラ座やパーティーへお出かけ。
昔の観劇は、紹介されれば自由に声をかけてもいい、今でいう「出会いフェス」だよ!
オペラ座の本当の目的って??観劇じゃない!?
ヨーロッパの昔からあるオペラ座って、馬蹄形で上の階が小さい部屋ごとに分かれてるじゃない?
執事やメイドに事前予約した男性は、観劇中にお嬢様や奥様を訪問してよかったんだよ!
女子はこういった活動をして金持ち男子を獲得しとかないとね。
女性があんまり働けなかった昔は、結婚=永久就職だよ!!
現代の一階で席が並列に並んでいる場所は、もともとは席がなくて紳士が立って観劇、歓談していたところ。
とか言って実は下からお嬢様の品定めをしていたところ・・
一階に入るとまず紳士はシルクハットと手袋を脱いで・・
逆さにしたシルクハットの中に入れておいておいたんだって。
「いざ!」みたいな。
一番上の天井桟敷は仕切りがなくて格安、貧乏人が入ったんだよ!
まとめ
- バストとヒップの幅をそろえる
- ウエストはくびれを強調
たったこれだけで超整ったイケてるぽっちゃりさんファッション出来上がり!!
というお話でした^^
こうしてみると何も新しい発明しなくていいんだな~
肩幅をせまく見せるには??なんて、机の前で考えててもなかなか思いつかないよね~
そんな時ファッション史の本をぺらぺらめくればヒントがあるじゃないか!
この流行はちょっとしか続かないからね~~!!
この5年後の1885年ファッションについて長々とした記事はコチラ↓↓
絵画の中のファッション、19世紀フランスのスーラに聞くバッスル7つの疑問とは
5年もたつと流行はぜんぜん違うからね!
乗り遅れないでよ~~!!!