服と同じように、多分それ以上にファッションをキメる帽子。粋なだけじゃなく白髪寝ぐせも隠れちゃう!?
そしてメンズ帽子は絶対イタリア製がいい!!
それにはワケがあるんです。
それはイタリアおしゃれ帽子は700年以上!の歴史を持つからです。
今回はイタリア発の帽子、しかもそのおしゃれの紀元から。
もちろん、それ以前にも帽子はありましたが、おしゃれアイテムとしての帽子はイタリアルネッサンスから。
1400年代ですよ^^
それ以前は防寒とか権力の象徴や威嚇目的であまり個人なおしゃれセンスは反映されていませんでした。
イタリアルネッサンス帽子から現代に通じるバリエーションが広がります。
なのでおしゃれ帽子を極めるなら、イタリアルネッサンスのメンズ帽子を押さえておけば間違いないでしょう^^
目次
イケメン用!小さい小さいつばなし帽のベレッタ
1400年代、ルネッサンスはファッションも哲学も料理も科学も芸術も、とにかく自由に、個性爆発の時代!
男性の頭だって超ファッショナブル。
ルネッサンス期のイタリアでは顔だけじゃなく、頭全体でイケメン度が計られました。
ヘアスタイル、ひげ、帽子・・頭のトータルビューティー。
まず最もシンプルおしゃれな小さい小さいBeretta(ベレッタ)。
フェルト製で帽子のつばはなく、今のベレー帽の前身。
当時フィレンツェとイギリスで大流行!
ベレッタのかぶり方にはコツがあって、
- 前を額の上にかかるようにナナメに
- 後方にうんとずらして
まっすぐコックさん帽のようにかぶるは禁物!絶対ダメ!超ダサ!!
今だったらニットキャップのかぶり方をこうしてね!
赤やクリムゾン、法王の緋色、黒・・とにかく鮮やかな赤か黒が粋。
中間色は汚い色><、パステルカラーはまだ存在しなかった時代です。
そしてこの超整ったロングヘアー。長髪については長くなるので次の記事にします。
- 頭に張り付いたようにかぶった帽子
- 一糸乱れぬ整えヘアー
これがルネッサンスイタリア男子、イケメンスタイル!
ペッランダというコートと一緒に
こちらは主にお年寄りがしていたスタイル。
Pellanda(ペッランダ)というのは中世からあるマントで、前と脇の下が開けっ放しになっていました。
なんでかな、寒いじゃん。
ボタンもピンもは氷河期からあったのに。
なぜってきっちりマントを閉じてしまうと、下の豪華な服が見えないからです。
マントをきっちりぐるぐる巻きにしていたのは旅人や行商人。
おしゃれじゃなかったら何のために生きてんの?
ダサいなんて耐えられない、寒い方がマシ!
というのが老人世代まで染みついたルネッサンスおしゃれ人の考え。
このとペッランダマントとセットなのはこの帽子。
これもベレッタのバリエーション。
これは後ろにずらしてのみかぶります。
前にずらすはダメ。へん。
フェルトで、ドーリア式のつるっとしたシンプルな柱模様だけが付けられていました。
カップッチョ頭巾フードスタイルにへそくり隠せ!
次はこんなCappuccio(カップッチョ)頭巾フードはいかが?
日本語とイタリア語が入り混じっていてスミマセン。
ファッション史用語は何語でもいいのです。
今はカタチさえ分かって、ファッション史があなたの血となり肉となれば。
ファッション史の本や絵、写真などの資料を見るときのポイントは
画像を見る
年代を見る
これだけです。
歴史学者になるわけではないので、用語は覚えなくていいです。
それよりファッション史の流れをつかみ、自分のデザインに役立てることが目的なので。
資料数は圧倒的に本のほうが多いです。
ネット検索では著作権侵害で掲載不可になってしまうもが多く、画像の種類が少なすぎます。
カップッチョ頭巾フードも中世から受け継がれている、なかなか重たい印象のスタイル。
この男の人の頭巾はマントと一体化していないタイプ。
マントとフードを別々に着ています。
通常、肩を覆うくらいのマントと先っちょが超長いフードが一体化しています。
マントは腰までだったり、長~く地面までだったりすることも。
大抵全身覆っていて、ちょっと怪しく顔だけ丸く外に出ていました。
頭巾フードは、重いウール素材でギリシャ時代からありました。
それが1300年代の終わりから急に超カッコいい流行になります。
頭巾フードをバックのように貴重品入れとして使えたからです!
貴重品が入ったこのフードの先っちょを、服のポケットの中に入れて使いました。
イケメン専用、マツォッコドーナツ!
カップッチョフード、頭部分に馬のしっぽか植物を詰めたドーナツ型のMazzocco(マツォッコ)がついているものもあります。
なんか救命道具みたい。
でもこれなんてレディガガがかぶっていたらあら不思議、斬新に見えてきませんか?
「ヴァケラ/VAQUERA」の2019-20年プレタポルテ秋冬コレクションとか。
ルネッサンス、これは特に若者でスタイルのいい人がかぶりました。
- 体部分はタイツやぴちぴちシャツでイケてるスタイルを見せびらかす!
- これに大きな頭!
というのが超カッコいい!
まあ、けっこうイケてない人もかぶっていますが・・
だって流行だもん。
ただし熟年世代は
- 毛皮のマントで体にボリューム
- 頭もMazzocco(マツォッコ)で大ボリューム
という全身ボリュームスタイルで決めていました。
↑↑↑超貴重資料!!この人マツォッコ脱いでますね(笑)
死んじゃった子供が奇跡で生き返るシーンなのに。
やっぱりドーナツは重たいんですね。
ちなにみフィレンツェに行ってこのフレスコ画を見るときに必須なものは
- 小銭
- 双眼鏡
です。
フラッシュ不可の薄暗い教会の中にぼんやり超貴重資料はあります。
でもお布施のコインを入れるとあら不思議、サンゼンとライトアップ!!
もちろん、おつりは出ません。あちらもなかなかやりますね。
なので50セント小銭をじゃらりと持っていきましょう。
そして礼拝堂の本体に描かれた教会の壁にはり付いたフレスコ画なので、遠い!!
双眼鏡がないとせっかくの絵が見えません・・
調子に乗ってルネッサンス、オモシロ帽子をかぶり首が折れそうに
まだまだあるよ変な帽子。
この二人はルネッサンスセレブ夫婦。
この時代は貴族がセレブ。フェデリコ君のお鼻は遺伝。
ただし絵は息子の死の直後の、奥さんの死後に描かれました・・
Beretto di capitanesca(ベレット ディ カピタネスカ)と言います。一応。
そして暴かれるあいつの秘密・・!
このあたりのインパクト帽子、見たことあるでしょう?
え、ない?
思い出して~!!
パゾリーニのマタイ伝からインスピレーションを得た映画「奇跡の丘」(伊仏1964年)!!の衣装です!
この衣装を担当したのがイタリアの衣装デザイナー、ダニーロ・ドナーティ。
彼には後年死の直前、ロベルト・ベニーニの映画「ピノキオ」の準備中に会いました・・
ちなみに老女のマリア役をやっているのがパゾリーニの奥さんです。
ダニーロ・ドナーティはデコレーションが大好き。
なので彼の衣装工房には、一番ステキなデコレーションケーキを作った人だけが入れました^^
本物見ちゃいました。
ファラーニ衣装工房の番長さんちにあるんです。
長持ちに入って。
展覧会のために取り出していた現場に私も急行!もちろん、かぶってみました。
こちらただのわき役の衣装。おもい!!
帽子が貝殻とか縄でぐるぐる巻きに作られていて首が折れそう。
この衣装、すべてルネッサンス絵画がテーマ。
それぞれの絵を正確に再現しています。
何の絵か、探してみてね!
アオキは帽子が大好きなので超長い記事になってしまいました。
ココまでお付き合いくださいましてありがとうございます^^
長髪男性がモテるためのたった一つの条件とは?イケメンにしか似合わないはウソ!