この記事では書ききれなかった
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今回はファッション史の主役級生地たちにスポットを!
アオキ ブロケード図案今と違ってすべてが手作りだった昔。
織物を織るのもドレスに仕立てるのも桁外れの労力でした~
1着分の生地だけで小舟一杯のお金がかかったことも!
お安い化繊なんてないしね。
それはそれは豪華な生地を楽しみましょう~
ゴージャスな織物はブロンズィーノが得意!
アーニョロ・ブロンズィーノ作『エレオノーラ・ディ・トレド』1545~46年 ウフィツィ美術館蔵 パブリックドメインブロンズィーノ作の傑作『エレオノーラ・ディ・トレド』!
1500年代マニエリスム全盛期にフィレンツェで大活躍した画家。
アラフォーからメディチ家のコジモ一世の宮廷画家さ!
さあ、この生地のモチーフは一体なんでしょうか?
パイナップルじゃないよ!
上記部分正解は~
ザクロ!
カトリックのイコノグラフィーね。
一つの実にたくさん実が詰まってるから多産・豊穣・教会そのモノのだよ。
とにかくよく使われたモチーフだから常に洗練されていったデザイン。
完成度が高い!
そしてこれは黒っぽい模様の部分を切り取って縫い付けたのではありません。
完全なブロッカーティ(伊)・ブロケード(英)と言う技法の絹織物。
立体的な模様が織りだされるんだよ!
この絵の生地はたぶんスペインかイタリア製。
コジモ・ディ・メディチが花嫁のエレオノーラに贈ったと言われているよ!
こういう超高級生地は確かにありました。
こんな複雑難しい超絶技巧生地は
一体いつから作られていたんでしょう??
すでに1000年頃から!
もともとヨーロッパではウールが使われていたよ!
木綿は育たないからね。
木綿は9世紀ごろからシチリアやスペインに輸入されるよ。
それから絹!
シルクロードをはるばるやってくる‥
でも木綿と絹は輸入品。
当時では供給が安定しないから超高級品!
それでお安い毛織物産業から織物技術がどんどん発達。
1015年 マント バーリ 絹織物1000年頃にはすでに金糸も使って絹織物の超絶技巧生地が作られてました~
ビザンツ王侯貴族や教会のためにね。
超絶技巧発達はギルドのおかげ
ココで重要なのはギルド!
ぎるど?
中世から結成された職業別組合だよ!
イタリアの工房も同じ。
超ヒミツ技術をそのギルド内でしか継承しないのさ!
だから封建制、つまり親方第一で弟子に伝えていく‥
特殊なものの作り方が外に漏れなかったんだよ。
絹織物や超絶技巧の毛織物もね。
私たちも秘密厳守のギルドの様子を垣間見られる!
なんでかな?
14世紀、絹織物メイキングを見ちゃおう
『絹織物の作り方』15世紀末 フィレンツェ ラウレンチアーナ図書館それは工房内では工程を弟子に説明するときに絵を使ったから!
イタリアだから工房って呼ぶね。
おかげで現代の我々も門外不出作業を見ることが出来るよ。
1400年代絹の織り方
- 小僧さんが繭を持ってくる
- 繭をほどく
- 染色!これが超貴重工程!!1800年代半ばまでこうやってオーガニック素材で染色してたんだよ!!
- 絹糸つむぎ
- 経糸成型
- 経糸が水平に張られた機織り機使用。足踏みで糸目を変えて模様を作っていく
ヨーロッパでシルクが作れるようになったのは12世紀ごろ。
それまでは延々シルクロード経由で運ばれる超高級品。
水のように透けるなめらで軽い生地は王侯貴族をとりこに‥
12世紀に東方のセリンダってシルクの産地に行ったお坊さんがね。
杖に繭を隠し持ってビザンツ帝国に帰国したって言うけど。
16世紀イタリアに残された織物のヒミツ、超貴重!
絹織物職人1518年 ヴェネチア コロール美術館蔵もう一つギルド内で回された、絹織物の作り方の教え方を教えるためのヒミツの絵。
工房内だけで外部にヒミツが漏れないように完結できるようになってる。
上の絵は小僧さんから親方になるまでの絵の一部
- 3年間小僧さん
- 2年間平の職人
- つるっとしたサテン織物職人へ
- または毛羽だったベルベット絹織物職人へ
- 機を買いたい場合は美術商工組合判事のライセンスが必要。使い方を知ってないともらえない。
- マエストロ=親方に
こういう絹織物工房制は1202年にさかのぼる!
とにかく織り方はそれぞれの工房でトップシークレット!
こんな絵、今だから見てもいいけど当時見たら生きて帰れなかったかも
貴重な絹織物コレクション♥
デザインのパターン見るのが楽しい織物の世界。
私はよくプラート繊維博物館に足を運んでデザインを写してきます。
フィレンツェ近郊。
デザインを写経して手に覚え込ませるの。
こちらはルッカ産の織物。
18世紀半ば ルッカ産の絹織物 緑と金 フィレンツェバルジェッロ美術館蔵18世紀半ばのイタリアでは絹織物がますますさかんに!
イタリアの中で最も古い絹織物組合はルッカ発。
11世紀にはすでに始動してたんだよ!
教会の祭壇の敷布 サン12~13世紀 フランチェスコ ダッシジ教会の宝物 黄色い絹織物に金糸で刺繍 シチリアの工房産カトリック教会はゴージャスがお好き!
だからルターに攻撃されちゃうんだけどね。
15~16世紀 スペインかイタリア15~16世紀、世界のトップクラス織物はスペインとイタリアのモノだったから、2国の織物はよく似ているよ。
豪華な織物はインテリアにも
豪華な織物は服飾だけじゃなく、インテリアにも使われてたんだよ。
石造りの建物に負けない豪華な織物を使うところがたくさん。
はい、インテリアでの豪華な織物の使いの例↓↓
Quintus Curtius、Livre des fais d’Alexandre le grant より 1468-79年 パリ国立図書館中央のチャールズ・ザ・ボールドさんの上にある天蓋ね。
あまりに古くて詳細がわかかりません。
結婚衣装 14世紀14世紀貴族の結婚初夜。
こちらのウェディングドレスに注目!
真っ白じゃないよ。
ココでも豪華なザクロ模様のブロケード。
クロニケ・デ・エノー 1468-70年 フランドル写本↑ルネッサンスの上着もやっぱり豪華ブロケード!
16世紀ヨーロッパの服装超解説はココ↓
特に華やかイタリアの豪華バロック♪
15世紀から16世紀のドレスのデザインも。
メンズのレースファッションが超豪華!フリフリゴージャス髭男子のルーツはバロック時代!
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