ファッション史

ヘアスタイルの歴史、ヨーロッパのメンズ!1700年男子のお作法はコレ! 

ヘアスタイルの歴史、ヨーロッパのメンズ!

1700年代のヨーロッパといえば

マリー・アントワネットに代表されるような

華やかで高さのある女性のヘアスタイルを

思い浮かべる方も多いかもしれません。

 

では、男性の髪型はどうだったのでしょうか?

 

女性たちと同じように

男性も大きく盛り上げた髪型をしてたのでしょうか。

 

一枚の絵を
ただ「きれい」で終わらせず

人物や衣装
空間や光から
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実は17世紀後半から18世紀初めにかけて

宮廷の男性たちのあいだでは

大きなカツラが流行しました。

 

きっかけのひとつとしてよく語られるのが

フランス王ルイ14世の存在。

 

当時の宮廷では

王の装いは強い影響力を持ってました。

 

王が身につけたもの

王が美しいとしたものは

貴族たちの服装や髪型にも

大きく広がっていきます。

 

ルイ14世の肖像画を見ると

髪型も服装も

単なるおしゃれではなく

権力や格式を表す大切な要素だったことがわかります。

 

ルイ14世がカツラを用いた理由については

自身の髪を補うためだったという説もあります。

 

ただし大切なのは

それが個人的な工夫にとどまらず

宮廷全体の流行になっていったこと。

 

この時代の宮廷では

王に近い装いをすることが

礼儀や身分意識とも結びついてました。

 

男性たちは大きなカツラを身につけ

女性たちはカツラではなく

レースを糊で固めた

「フォンタンジュ」と呼ばれる

高さのある髪飾りを取り入れていきます。

 

男女ともに

髪型は顔まわりを飾るだけでなく

身分や流行

宮廷文化を映すものだったのです。

ハゲでもないのに突然ズラが宮廷男子のお作法に!?なんで?

ヘアスタイルの歴史、ヨーロッパのメンズ!「ルイ14世」イアサント・リゴー 1701年 ルーブル美術館

1600年代後半から1700年代の初めまで、デカいメンズカツラが大流行!

ガッチガチに崩れないよう作られて、重く、真ん中の縫い目もあらわな大げさなモノ。

なんか生え際から髪の頂上まで超高いな、みたいな。

 

フランスのルイ14世(1638-1715年)がファッションリーダーだったから!

彼は自分のおハゲを隠すためにカツラを流行らせちゃった♥♥♥

という説もあり・・

それから彼愛用の赤いヒールの靴

 

この時代、王にならえ!

王が右を向いたら家臣も全員右を向かないと、村八分にされちゃうの。

だから全員ヅラスタイル。

ちなみに女子はカツラなし、でもレースをノリで固めた「フォンターンジュ」って言う、やたら背の高い髪飾りが流行っちゃう!

男女ともに生え際からインパクト大の背の高いヘアスタイルが流行っちゃうよ!

 

ちなみに宮廷人のヅラの下の地毛は剃るか、短髪ね。

ヅラは洋服と一緒、なしで人前に出ることタブー!下品!

ヘアスタイルの歴史、ヨーロッパのメンズ!フラ・ガルガリオ 「ジョバン二・バチスタ・バレッティの肖像」1710年 アッカデミアヴェネチア

↑まだ理容師が到着しなくてヅラをつけていない朝、僕はおうちで帽子をかぶっています^^

ヘアスタイルの歴史、ヨーロッパのメンズ!ラ・バールとその演奏家たち ロンドンナショナルギャラリー

初めの流行りは黒いカツラだったんだけど。

いつの間にやら黒いカツラに白い髪粉をかけるようになって。

それから白髪のカツラになっちゃった!!

これが1730年にはもっとエアリーなサラ~っとしたカツラに変わってくれます^^

 

髪粉は小麦粉・・ね。

紳士淑女がそれぞれ朝のお着換えの間で・・

それぞれお面に持ち手が付いたものを持ちます。

顔をカバーします。

召使いが小麦粉を振りかけます。

こうやって毎朝白い髪にしていました^^

笑えるけどヅラと髪粉で年齢や汚れまで隠れて、実用的だったんだよ?!

ヘアスタイルの歴史、ヨーロッパのメンズ!フラ・ガルガリオ 「ジェントルマンの肖像」 1720-30年

↑このひと、おでこの地毛の剃り見えてるよね?

いいの?

カツラの縫い目もあらわに超ニセ頭!!いいの??

1740年、でかいカツラはもうダサい!?男子にポニーテール♪

それから1740年くらいになると男女ともに頭は小さくなっていく~~!

メンズカツラは小さくなって、左右にロールパンみたいなカールをつけて。

初めは4つづつ。

それからだんだん3つ、2つのカールになって、最後には一つカールに。

ヘアスタイルの歴史、ヨーロッパのメンズ!ベンジャミン・ウェスト 「自画像」1770年 バルトモア美術館 パブリックドメイン

カールはお耳の上が隠れるくらいにね!

お耳丸だしはヤボったいよ!

 

後ろの余った髪はポニーテールにしてね。

ひく~~くひく~くしないとこれまたダサいよ!

ポニーテールは風に流しててもいいんだけど、

黒シルクリボンでぐるぐる巻きにするのも好まれました。

ヘアスタイルの歴史、ヨーロッパのメンズ!ジャンフランス・ド・トロワ 「愛の宣言」部分 1731年 カトーガン髪の毛袋着用男性

それから上の素晴らしい絵の男性がつけている「カトーガン」。

黒シルクの袋で、ポニーテールを入れておいたんだよ!

軍人の髪型

1730〜60年頃

軍人の髪型にも

宮廷の流行は反映されてました。

 

戦場に立つ人たちも

ただ実用一辺倒の髪型だったわけではないね。

 

当時の男性たちは

前や横の髪をカールさせ

後ろの髪をまとめて

黒いシルクリボンで巻くことも。

 

横にいくつかのカールを作り

後ろ髪は細く長くまとめる。

 

この後ろ姿が

現代の感覚で見ると

少し意外に感じられるかもしれません。

 

地毛だけで長さや量が足りない場合には

別の毛を足して

形を整えることもありました。

 

髪型は単なるおしゃれではなく

身分や職業

その時代の美意識を表すものでもありました。

 

軍服を見るときも

服の形だけでなく

髪型やリボンの結び方まで見ると、

その人物が生きていた時代の空気が

少しずつ見えてきます。

ズラと一緒に帽子も紳士のたしなみだよ!

1700年代は「トリコルノ」と言う三角帽が大流行!

ヘアスタイルの歴史、ヨーロッパのメンズ!フラ・ガルガリオ イタリア 1720-30年

1700年初めのころのデカいヅラと一緒には背のたっか~~いトリコルノ。

もちろんド派手なふち飾りをつけてね!

鳥の羽も金糸もなんでもあり!

それからヅラが小さくなるとともにやっぱりトリコルノも小さくなっちゃった。

ヘアスタイルの歴史、ヨーロッパのメンズ!フラ・ガルガリオ「ジェントルマンの肖像」1730年

ちなみに近代まで帽子なし君は、露出狂くらいの衝撃でした。

つまりカツラなしでは家の中で人前に出ず、帽子なしでは家の外に出なかったってこと。

フランス革命前後!髪も庶民的に・・

1715年~74年はルイ15世時代。

この人ナント5歳で王様に!

ブルボン朝最後の王様ルイ16世(在位1775年~92年)のおじいちゃんだよ!

 

この人のなが~~い治世の間に、だんだんヘアスタイルもごく小さく自然な感じに・・

ヘアスタイルの歴史、ヨーロッパのメンズ!レイノルズ ロベルト・オルメの肖像 1756年 ロンドンナショナルギャラリー

最後にはたったひと房の巻き毛だけになっちゃった。

 

フランス革命では、

「自然体が新しいの庶民派vs.人工的で古臭い王国貴族派」

になって、それ以後はずっと自然体な人体賛美のギリシャ風がもてはやされちゃいます。

まとめ

1700年代の女性の髪型は

高さのある盛り髪や

大きなパニエスカートとともに語られることが多いですが

男性の髪型もまた

かなり人工的で凝ったものでした。

 

大きなカツラ

横のカール

後ろ髪をまとめるリボン。

 

髪型は

単なるおしゃれではなく

宮廷文化や身分意識

その時代の美意識を表すものでした。

 

やがてフランス革命前後になると

過度に人工的なスタイルよりも

自然さや簡素さが好まれるようになっていきます。

 

髪型の変化を見ていくと

時代の価値観が

どこに向かっていったのかも見えてきます。

 

服装だけでなく

髪型や帽子

リボンの結び方まで見ていくと

一枚の肖像画から読み取れることは

ぐっと増えていきます。

衣装や色、髪型、空間の見方がわかると
一枚の絵はもっと深く楽しめます。

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